3月 19
今年度も、昨年に引き続き、全国の実践家との交流をはかりたいと思っております。
表現指導には、実にさまざまな取り組み方があります。また、高校には多様な学校があり、多様な生徒たちが学んでいます。そうした多様な実態と、その中から生まれている多様な実践、多様な生徒作品。それらと向き合いながら、表現の可能性を広く、深く、考えてみたいと思います。
4月には、茨城の久保さん、静岡の田中さん、山形の我孫子さんの登場です。
どうぞ、みなさん、おいでください。
1 期 日 2012年4月15日(日)10:00?16:30
2 会 場 鶏鳴学園 ※引っ越しましたので、注意してください。
東京都 文京区 湯島1?3?6 Uビル7F
? 03?3818?7405、 FAX 03?3818?7958
JR御茶ノ水駅下車徒歩3分
※鶏鳴学園の地図はhttp://www.keimei-kokugo.net/をご覧ください
3 報告の内容
(1) 卒業生への聞き書き
「那珂湊一高・那珂湊二高から那珂湊高校へ」
茨城県立那珂湊高校 久保 有紀
那珂湊高校は3年前に那珂湊一高と那珂湊二高が統合してできた学校ですが、それぞれの学校の卒業生たちが母校に対して愛着と誇りを持っていることをよく耳にします。そこで、卒業生たちの思いを受け止めてよりよい高校生活を送ってほしいという思いから、高校1年生に冬休みの宿題として卒業生への聞き書きをさせました。
その生徒作品を紹介します。
(2)「自己実現」のために「書くこと」-本年度富士宮北高校3年部での実践報告-
静岡県立富士宮北高等学校 田中 慎一朗
現任校2年目。2年担任、3年担任とこの学年にかかわってきました。
本校は昭和12年に設立され、創立70年以上を経た現在、普通科・商業科を併設し、商業科の生徒は主に地元企業への就職、普通科は中堅進学校として、4年制大学・短期大学・専門学校へ進学します。陸上部、ソフトテニス部、相撲部、野球部などの運動部が実績を残し、多くの卒業生が地域で活躍するなど、ある部分では「伝統校」として見做されていますが、私の見る限りでは進路指導や生徒指導に困難を抱える学校でもあると思います。
このような実情の中、本年度「国語科」の教員として「自己実現」を目指した「書くこと」の指導を行いました。今回の実践報告で、今後の指導に向けた改善点を見つけたいと思っています。
(3)「明日を紡ぐ若者たち?父子の絆を深めた教え子PART3」
山形県立山形工業高等学校 安孫子 哲郎
「生活綴方」に根差した高校生の文章表現指導が、若者たちの「明日を紡ぐ力」を育むことを信じて、実践を継続してきた。だが、高校時代に書き綴った作文は、果たして本当に、教え子たちの青春の記念碑になっているのか。
それを検証すべく、二年前の春、私が作文指導をし、コンクールで入賞したり、校内の梯関誌等に掲載きれた作文を書いた教え子たちに手紙を出した。高校時代の作文のコピーと、原稿用紙を同封。かつての自分の作文が、今の自分にとってどういう存在であるかを書いてもらったのである。その「RE:私の高校時代の作文」の中から、今回は、父子の絆を深めた教え子の三例を紹介したい。
4 参加費 1,500円(会員無料)
3月 12
春の饗宴
ゼミ生の吉木政人君、太田峻文君が4月から就職します。
この1年間、2人は就職活動をする一方で、自分のテーマをつくるために
努力してきました。
その成果と社会人としての出発を祝う会を3月25日(日曜日)の晩に設けます。
1昨年にゼミは大いに盛り上がり、昨年春には江口朋子さん、
夏には守谷航君が「修了」しました。
2人が抜けたので、昨年の夏には停滞したような時期もありましたが、
秋以降から次第に盛り返し、今回社会に出る吉木政人君と太田峻文君以外にも、
メンバーの1人、1人が、それぞれの道をしっかりと前に進み始めていると思います。
私たちとともに2人の旅立ちをお祝いし、ゼミ生たちと交歓したい方は、
申し出てください。
久しぶりに来られる方々とは、互いの近況報告をし合いたいと思っています。
3月 09
3月の読書会
ゼミの読書会では、昨年の秋から「東日本大震災で提起された問題」をテーマにしています。
今回は、『ナインデイズ』です。岩手県の対策本部の記録です。県庁という行政のあり方、
最前線と後方支援の関係、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、そして医療班の連携のあり方を考えたいと思います。
なお、この対策本部のチーフの小山氏(総合防災室長)には、先日取材してきました。その話しもしたいと思います。
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◇◆ 3月の読書会とテキスト ◆◇
ゼミの読書会では、昨年の秋から「東日本大震災で提起された問題」をテーマにしています。この震災と原発事故への対応の中で、日本社会の抱えていた諸問題が表に吹き出し、誰の目にも見えるようになってきたこと。これが、今回の大きな不幸の中の、唯一の(と言ってよいと思います)成果です。
それを真剣に学ばなければならないと思っています。
読書会では、これまで
10月
海堂 尊 (監修)『救命─東日本大震災、医師たちの奮闘』新潮社 (2011/08/30)
11月
清水 修二 (著)『原発になお地域の未来を託せるか』自治体研究社 (2011/06/15)
佐藤栄佐久(著)『福島原発の真実』 (平凡社新書) (2011/06/22)
12月
『石巻赤十字病院の100日間』由井りょう子 (著), 石巻赤十字病院 (著)
小学館(2011/10/05)
以上を読みました。
『救命』は最前線の現場の個人の医師の記録
『石巻赤十字病院の100日間』は、は最前線の医療現場の組織的活動の記録
今回の『ナインデイズ』は、医療の後方支援の、しかも県庁という行政(その中の医療班)としての闘いの記録です。
行政はいつも「悪者」にされますが、彼らを正当に理解しない限り、本当のことがわからないでしょう。
県庁という行政のあり方、最前線と後方支援の関係、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、そして医療班の連携のあり方を考えたいと思います。
(1)期日 3月24日 午後4時から6時まで
(2)場所 鶏鳴学園 ※引っ越したので注意してください。
〒113-0034 東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
地図は、http://g.co/maps/p8pwj を参照のこと
電話03-3818-7405
(3)テキスト
『ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い』
河原 れん (著) : 幻冬舎 (2012/2/24)
以下はアマゾンからの引用
ひとりでも多く助けたい。
思いは、ただそれだけだった。
東日本大震災での岩手県災害対策本部の闘いを描く、感動のノンフィクションノベル。
2011年3月11日、東日本大震災発災直後、岩手県庁内に設置された災害対策本部。そこで、県の防災室の面々と共に指揮にあたったのは、岩手医大・救命救急センターの医師、秋冨慎司だった。濁流に飲み込まれた被災地。襲いくる火災。錯綜する情報。足りない燃料。悪天候で飛べないヘリ。「被災地で苦しんでる人を、ひとりでも多く助けたい」その一念で、秋冨は寝食を忘れ奮闘する。焦りから声を荒らげ、動かない行政に低頭し、己の力不足に唇を噛み締め……。その激烈な9日間を、膨大で緻密な取材をもとに、リアルに描ききる。
(4)参加費 3000円
3月 05
日本の諸問題を海外に発信するための多言語ウェブサイトnippon.comがあります。
その教育問題特集に寄稿しました。
私の問題提起は、日本ではなかなか受け入れられないので
海外からの反応に期待しています。
全文は以下から読めます。英語版なども今後掲載されていく予定です。
http://nippon.com/ja/in-depth/a00601/
「学力低下」論争と「ゆとり」教育を検証する 中井浩一
1990年代末、日本の子どもたちの「学力低下」が問題視され、大きな論争が起こった。論争の結果、文部科学省は「学力低下」の原因とされた「ゆとり」教育からの政策転換を余儀なくされた。脱「ゆとり」の新学習指導要領が実施され始めた今、「学力低下」論争と「ゆとり」教育を振り返る。