8月 02

河合 隼雄 著『子どもと学校』をテキストとして、学習会を行います。

「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)は、田中由美子を担当として2015年秋に始まりました。
今回のメルマガでは、今月8月30日(日曜)の学習会の案内を掲載します。

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8月の「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)の案内
田中由美子

大人のための「家庭・子育て・自立」学習会のご案内です。
親子関係や子どもたちを取り巻く様々な問題に関して話し合い、学び合う会です。
どうぞお気軽にご参加ください。
学習会ブログ http://kateiron.skr.jp/

河合 隼雄 著『子どもと学校』をテキストとして、学習会を行います。
新型コロナ感染症の先行きが不透明なため、初のオンラインでの開催です。

テキストは、河合 隼雄 著『子どもと学校』(岩波新書)です。

著者の河合 隼雄(1928?2007年)は、心理学者、および教育学博士であり、京都大学名誉教授や文化庁長官を務めました。
学者らしからぬ柔軟さで、鋭く本質を突く大物です。

子どもの生活や学習に「問題」があるとき、その「問題」をどうとらえ、どう対応するべきなのか、思春期とは何か、「父親」はどうあるべきなのかなど、大事な論点が盛りだくさんです。

学習会では、主に下記の箇所を読みます。
時間の許す範囲で読んでみてください。
ただし、学習会当日、大事な箇所は確認しながら進めますから、予習ができていなくても大丈夫です。

?章 「教育の価値を見直す」  p1?30
?章 4節「不登校の「処方箋」」 p132?154
?章 2節「性の理解と教育」  p200?230

※?章も本来大切な論点ですが、河合の「個性」が何を意味するのか、その考えが曖昧で不十分だと思います。
時間が許せば目を通してみてください。

1. 日時  :8月30日(日曜)14:00?17:00 
2. 形態  :Zoomによるオンライン開催
3. 参加費 :1,000円(鶏鳴学園生徒の保護者の方は無料です)
4. テキスト:河合 隼雄 著『子どもと学校』(岩波新書 212)

参加をご希望の方は、下記、お問い合わせフォームにて、開催日の一週間前までにお申し込みください。
お待ちしています。
https://keimei-kokugo.sakura.ne.jp/katei-contact/postmail.html

鶏鳴学園講師 田中由美子
〒113-0034 東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
鶏鳴学園 家庭論学習会事務局
学習会ブログ http://kateiron.skr.jp/

11月 21

「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)は、田中由美子を担当として2015年秋に始まりました。
それから3年が過ぎ、学習でも運営面でも、確実に深まっていると思います。

来月12月15日(土曜)の学習会の案内をします。

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12月の「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)の案内
                                   田中由美子

大人のための「家庭・子育て・自立」学習会のご案内です。
年に数回開催し、親子関係や、子どもを取り巻く様々な問題に関して話し合い、学び合う会です。

来月の学習会では、石牟礼道子著『新装版 苦海浄土 わが水俣病』を読みます。

四大公害病の一つ、水俣病に苦しむ人々の魂の声を、詩のように綴った文学です。
今回は、直接に家庭や子育てがテーマではありませんが、素晴らしい作品であり、また私たちの時代や生き方を問うものです。

私の親の世代が高度経済成長に邁進する中、一方で恐ろしい公害病が長年放置されました。
しかし、この作品はたんにその問題を告発するルポルタージュではありません。
病のためにしゃべれない患者や、病ゆえに地域で孤立した患者家族の思いを、石牟礼が代わって豊かに語ります。

石牟礼は、彼女が暮らす地域で起こったこの問題を綴ることをライフワークとしました。
また、患者を支えるために運動しました。
一人の女性の生き方としても惹かれます。

詳細は、下記※をご覧ください。

学習会では、一章から四章までを読みます。
一・二章の読みづらい箇所は読み飛ばし、本書の山である三・四章をぜひお読みください。
当日背景をお話しします。

            記

1.日時 :12月15日(土曜)14:00?16:00
2.場所 :鶏鳴学園
3.参加費:1,000円(鶏鳴学園生徒の保護者の方は無料です)
4.テキスト:石牟礼道子著『新装版 苦海浄土 わが水俣病』(講談社文庫 2004年?)
※ ページ数が揃うように、現在一般の書店で販売されている上記をお買い求めください。

参加をご希望の方は、「家庭・子育て・自立」学習会ブログ内の、下記、お問い合わせフォームにて、開催日の一週間前までにお申し込みください。
https://keimei-kokugo.sakura.ne.jp/katei-contact/postmail.html

鶏鳴学園講師 田中由美子
〒113-0034 東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
鶏鳴学園 家庭論学習会事務局

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※ 詳細

○ 水俣病事件
水俣病は、1950年代から熊本県水俣市などで多発した公害病です。
プラスチックの原料を製造する化学メーカー、チッソの工場排水に含まれていた有機水銀に魚介が汚染され、それを食べた人間が中枢神経を侵されました。

また、胎児まで罹患しました。
当時の世界の医学の常識に反して、毒素が母親の胎盤を通過したのです。
何年経っても首もすわらない子どもや、亡くなる子どももありました。

ところが、工場排水はその後も十余年流され続け、被害が拡大したのです。

○ 『苦海浄土』
小さな漁村に多数の患者や死者が出ても、その対応は遅れに遅れ、水俣病問題は石牟礼道子が『苦海浄土』を書いたことによって、ようやく全国に知られました。

また、本書は、たんに加害企業のチッソを糾弾するものではありません。
患者や家族がどんな思いで生きてきたのか、その悲しみだけでなく、生きる尊厳や喜びも描きました。
彼らの思いがその抑圧から解き放たれるように、詩のように語られます。
チッソが当時の人々にとって高度経済成長を象徴する希望であった、その思いまでもが生き生きと表現されているのです。

なお、今学期、本書を鶏鳴学園、高1クラスのテキストとしました。
戦後の日本文学の最高傑作と言われる本書は、表現が優れているだけではなく、近代と何か、人間とは何かを深いレベルで問うものだからです。
また、国策企業であったチッソによる水俣病問題は、福島の原発事故問題と構造的に非常に似かよっています。

○ 石牟礼道子
『苦海浄土』の著者、石牟礼道子は、チッソの企業城下町であった水俣で、長年捨て置かれた患者や家族に当初から寄り添い、憑りつかれたように筆を執りました。

戦中戦後から様々な疑問を抱いていた彼女は、水俣病患者と出会ったとき、自らの使命を自覚したのでしょう。
患者さんたちに「つかまえられたとしか言いようがない」と語っています。

殊に女性がそういった仕事をすることに、幾多の軋轢がありながら、止めようとは思わなかったそうです。
女性としての一生活者の視点が、彼女の仕事を貫いていると感じます。

<石牟礼道子 略歴>

1927年(昭2)生誕
1940 (昭15)13歳 小学校卒業後、実務学校(現・水俣高校)入学
1943 (昭18)16歳 代用教員錬成所に入学し、二学期から小学校に勤務
1947 (昭22)20歳 退職。結婚。翌年、長男誕生。
1954 (昭29)27歳 詩人、谷川雁と出会う。漁村に水俣病が多発し始める
1960 (昭35)33歳 雑誌『サークル村』に『奇病』(「ゆき女きき書」初稿)掲載
1968 (昭43)41歳 「水俣病対策市民会議」結成に参画
1969 (昭44)42歳『苦海浄土』を出版。熊本地裁に提訴した患者などと共に行動し始める
1973 (昭48)46歳『苦海浄土・第三部』まで書き終える。その後も著作や運動を続ける
2000 (平12)73歳 パーキンソン病発症
2018 (平30)90歳 死去

3月 05

「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)は、田中由美子を担当として2015年秋に始まりました。
それから2年が過ぎ、学習でも運営面でも、確実に深まっていると思います。

本日は、2017年12月の学習会の報告を掲載します。

重松 清著『エイジ』学習会(2017年12月3日)報告
                                  田中由美子

昨年10月の学習会に続いて、12月も「思春期」をテーマとしました。

10月に参加者の一人から、中学生の子どもに以前のように明るく活発であってほしいという思いを聞いて、
今回は、思春期に葛藤することこそ成長の証だと思えるようなテキストをと考え、小説、『エイジ』を選びました。
主人公の中学生、エイジのように、周りと対立し、また自分自身と葛藤するのが思春期であり、
その対立や葛藤こそが大切な成長の芽だと思います。

以下、私の感想と、参加者の方の感想を掲載します。

思春期の対立と葛藤が成長の芽

この学習会をスタートして三年目に入り、今回初めて小説をテキストにした。
「思春期」を外側から解説している本ではなく、思春期の子どもの側から何がどんなふうに見えるのかを描いた
『エイジ』を選んだ。
当時30代の小説家、重松清が中学生たちの気持ちを代弁しているのだが、リアルに描かれている。

エイジの同級生が「通り魔事件」を起こしたことによって、エイジたちの目に大人や世間の矛盾や悪がくっきりと見える。
事件をなかったことにしたいかのような教師たち、騒ぎ立てるマスコミなどに対してエイジは疑問だらけの中で、
彼自身の矛盾や悪にも目覚めていく。
友人が「シカト」されることに対して態度を決めかねたり、その気もないのに女子生徒と付き合い始めたり、
親にキレたりと、無様な自分に直面する。
よいことなど一つもないかのようだが、これがエイジの成長の過程だと思う。

他者に疑問を持ち、対立し、また自分自身に疑問を持ち、葛藤する。
外との分裂と、自分自身の中の分裂に足を踏み入れるのが思春期だ。
それ以前の、誰とでも仲良くできて、何にでも溌剌と取り組めるというような子どもには、もう戻れない。
むしろ、対立が必然の現実を自分で生きていく大人に向けて、一歩成長したのだ。
成長したから苦しんでもいる思春期の子どもに対して、以前の方がよかったと言うことは、成長するなと言っていることになる。

一旦いくらか自分が壊れることで、親から与えられてきた生活を、自分自身の人生として捉え直し、
つくり直し始められるかどうか。中高生はその転換点に立っている。
エイジのように一時期勉強が手につかなくなるというような「一時停止」があったり、
あるいは後退しているように見えることさえある。

ところが、疑問や否定、対立はよくないというのが現代のトレンドである。
ぐずぐず悩むよりも「プラス思考」が好まれる。
とにかく大学受験まではと、葛藤には向き合えずに走り続ける子どもも多いのか、近年大学の学生相談室は利用者
の増加が止まらず、どこもパンク状態のようだ。

子どもの思春期の対立や葛藤、「一時停止」の意味を十分に認めて、その苦しい過程を経て自立していけるように、
見守り、後押ししたい。
それは、私たち自身が対立や問題に向き合って生きることによってはじめて可能なのではないか。

◆ 参加者の感想より

中学生の母、Aさん

今回は小説がテキストということで、専業主婦をしていた母が子育てしながらよく参加していた「読書会」なるもの、
自分の仕事を持ってしまい生活とでいっぱいいっぱいの私には全く縁がなく、羨ましく思っていたので、
なんだか嬉しい気持ちで出席させていただきました。主人公のエイジが、娘と同じ中学2年生というのも、興味がありました。

エイジやそのクラスメイトたち、描かれるのは男子が多いですが、みな思春期真っ只中の中学2年生、
それぞれの人物の揺れる心がよく表されていたと思います。

前回の学習会で学んでから、思春期というのは、自分自身の中に、またそれだけでなくあらゆる物事や人間に
二面性を見つけ、悩んでしまうことではないかと考えるようになりました。そうすると不思議なことに、
反抗ばかりだと思っていた娘の言動にも納得がいくような気がしてきていました。

今回もそれは、内的二分化という言葉で先生に表していただき、どの登場人物も見事にそう揺れているのがよくわかりました。

エイジを追ってゆくと、なんだかよくわからないけれど理由がある、という思春期の言動がよくわかります。
大人たちはそれを、なんだかよくわからないもの、として片づけてしまいます。
しかし思い出してみれば自分もそうであったように、なんだかよくわからないけれど理由はあった、のです。
そこを、大人はよく理解し忘れないようにしないとならないのではないかと、この本を読んでいて感じました。

ではそのような思春期に、親はどう関わるか、という答えは書かれていません。
しかしそれも、登場人物を並べて出来事を追っていくうちに、すこし見えてくる気がしました。
思春期の中学生の内面を、理解しないのは学校の先生達。理解しようとするのは、中学生の世界の外にいる、
マスコミの大人。それに対して、毎日生活を共にする両親というのは、内面には直接関わらず、
距離を保ってしかしそれぞれのスタンスを貫いています。子どもを理解しようと内面に立ち入って、
揺れる中学生と一緒に揺れてしまったら、毎日の生活が立ち行かなくなってしまう。
親というのは、もしかしたらこれでよいのでしょうか。

いまの思春期という問題には、そんなことを考えさせられた一冊でした。
小説としては、それぞれの人物の心理がよく描かれているようで、最後まで興味深く読めました。

高校生の母、Bさん

重松清の作品はいくつか読んでいて、好きな作家だったが、エイジが課題図書となって一読してみて、
率直に言って、エイジは何とも捉えようがなく、他の重松作品に比べてつまらなく感じた。

でも、子どもに、この作品は中井先生の「日本語トレーニング」でも取り上げられている本だと聞いて、少し関心を持った。

そして、学習会の場で田中先生の解説を聞いているうちに、「あぁ、そういう趣旨だったのか」と気付くことがあり、
全く自分の感性が干からびてしまっていたことに気がつく有様だった。
50半ばにして堂々のおばさん(夫の言葉で言うとbaba)になっていた私から見て、中学生の感性はなんと繊細なこと!
解説付きじゃなきゃ、わかんない! 私も遠い昔には同じようなことを感じていたのかなー、と言うのが率直な感想だった。

それはともかく、その後に「日本語トレーニング」にも興味がでて読んでみた。
冒頭に出てくる「道徳教育でない論理トレーニングが、現実と戦う力になる」という箇所に、少し涙ぐんだ。
私の悩みは、何も特別なものではない世間にはありふれた悩みだが、なんとなく説得力を感じたのだった。
まだ全部は読めていないが、ちょっとずつでも読んでいこうと思った。

11月 15

「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)は、田中由美子を担当として2015年秋に始まりました。それから2年が過ぎ、学習でも運営面でも、確実に深まっていると思います。

2017年10月の学習会の報告を掲載します。

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乾 義輝著「豊かな人間性を培う家庭教育の推進―「思春期」家庭の支援の在り方―」学習会(2017年10月15日))報告
田中由美子

今回は、元県立法隆寺国際高等学校校長、乾 義輝氏の、思春期の親子関係についての論文を読みました。
子どもの思春期における、親自身の課題がテーマです。

学習会では、参加者の皆さんから、子どもの思春期やご自身の悩みが「問題のデパート」のように様々出されて、熱心に意見交換しました。
また、会の最後には、子どものことよりご自身のことを語る方が多かったのも、印象に残りました。

以下、学習会を終えての私の感想と、参加者の皆さんの感想を掲載します。

(1) 親の悩みと、変化
参加者から出された悩みは、たとえば、明るく活発だった子どもが、学校でのトラブル以降スマホ片手に勉強も手につかないといった悩み。
子どもとほとんど話ができない、また穏やかに話し合えないこと。
子どもの、友人や部活の顧問との関係。
大学入試を前にしての不安、大学生の息子の恋人や、将来の就職、結婚の不安等々だった。

また、親として、子離れが必要だとわかっていながら、子どもに手をかけ、心配してしまうという悩み。
ドラマ、『過保護のカホコ』で描かれた、母親の娘への過保護の様子が自分にそっくりとの反省。
また、その過保護や心配が、中学受験の「失敗」に親の責任を感じてしまったことから来ていると話した方もあった。

また、子どもの思春期を通して親自身の意識が変化したという経験も話していただいた。
明るく活発だった頃の娘に戻ってほしいという参加者の願いに対して、別の参加者から、彼女も以前は娘にキラキラした楽しいだけの世界にいてほしいと思っていたが、娘が二十歳過ぎてから「ママはきれいごとで育てようとしている」と言われたというエピソードが紹介された。
思春期の渦中にはその思いが言葉にもならず、人間関係のドロドロの中で「自分を守るだけで必死だった」とも。
その参加者は、娘は思春期にドクロの柄の服を着たりして、アタシに近付くんじゃないよと自分を守っていたのだろうと振り返った。
また、他の子どもについての見方も変化し、ああいう格好しているから悪い子どもだなどと決めつけるのではなく、思春期の不安を慮れるようになったとのことだった。

また、娘のミニスカートをとがめると、その理由を聞かれ、それに対して「『ご近所様』や『世間様』しか出せなかった、自分が無かった」と振り返った参加者もあった。

(2) 生き方の再構築
子どもの思春期には、子ども自身に課題があるだけでなく、親にも課題がある。
乾氏は、親自身の生き方や価値観、生い立ちや夫婦関係を問い直し、再構築する必要があると述べている。

また、その課題は「一人で誰の助けも借りずにやり遂げられる仕事ではない」、「同じ問題を抱える親同士の人間関係に支えられ」てこそできることであり、その中で「子どもとの関係」や「子どもへの願いや期待が組みかえられていく」と。

子育ては家庭内の孤独な仕事になりがちだが、本来は、子どもを社会に送り出すことを目的とする、社会的な「仕事」だ。
社会的な「仕事」は、社会的に、つまり他者と学び合い、相対化する中でこそ進めていけるものだと思う。
また、乾氏が、親自身の生き方や人間関係の再構築を「仕事」と表現しているのを読んで、それが「仕事」だと再認識した。
つまり、子どもの生活を支え、教育することだけが子育てではなく、親自身の生き方や考え方をつくり直していくことも、「仕事」だ。
子どもが思春期に自分自身をつくり直さなければならないときに、実は親にも同じ課題がある。
子育ての仕上げとしてその大事な「仕事」をすることが、子育てに重きを置いた生き方から子離れへ、子育て後の人生へと進むことになるのではないだろうか。

◆参加者の感想より

中学生の母、Aさん
初めて学習会に参加させていただきました。テーマは思春期と親の関わりでしたが、他の保護者の方々のお話を聞けたのがよかったです。どなたのお話も少しずつ共感できる部分があり、教えていただくこともあり、テキストを読み進めながら先生からいただいたキーワードも心に残り、思春期の我が子に対してすこし、目線が変わりました。

テキストを前にして、思春期真っ只中の我が子が思い浮かび、カッカしてしまいましたが、感じていた自分の問題はそこではなかったことを、帰ってきてから思い出しました。
学習会でも学びましたが、思春期とは、子の課題であると同時に、親の課題でもあるということ。参加者からお話が出ましたが、親自身のトラウマであったり、この先の我が子に対してあるいは社会に対しての漠然とした不安であったり、そういったものを抱えながら、子どもの思春期をどう乗り越えてゆくか。テキストの「研究結果と考察」に書いてある、親の持つべき自信と責任とは、どのような自信と責任なのか。答えのないものかもしれないし、人それぞれなのかもしれませんが、それらをもう少し話し、知りたかったと後になって思いました。

このテーマに限らずまた、学習会に参加してみたいです。

中学生の母、Bさん
参加者の皆様のお話を伺っていますと、皆同じように悩みながら、一生懸命子育てをされてこられたのだと感じました。それなのに、何故親が思い描くように、子どもは育ってはいかないのでしょうか?
そんな疑問も会が進んで行く中で、絡まっていた糸がほどけて行くように答えがみえてきました。

振り返ってみれば、私は、子育てに一生懸命になるあまりに、いつも自分を責め、目に見えない何かに縛られていました。
そんな私自身が、解放され癒されなければ、子どものありのままの姿を受け入れる事ができなかったのだと気づかされました。

この学習会の参加を機に、子どもとの関係を今一度、見直していきたいと思います。

中学生の母、Cさん
「豊かな人間性を培う家庭教育の推進ー『思春期』家庭の支援の在り方ー」とのタイトルのテキストを事前に頂き、どんな講義を頂けるのか、という気持ちで臨みました。
が、意外にも、参加者全員のスピーチから始まりました。自己紹介、悩んでいること。。。何をお話したらよいのでしょう。。。困りました。が、皆さんの心から出るお言葉を聞くことで自分の悩みが整理され、これまで関わって来た子育てに関し抱いていた漠然とした思いが、形になったような気がします。我が子も思春期を迎え成人していく大事な時です。今日の日本の企業社会が求めているような「よい子」というアイデンティティーではなく、本当に必要なアイデンティティーとは何なのかを模索しつつお勉強を続けていきたいと思いました。

また、我が子には国語が好きになってほしく、最近鶏鳴学園に入園させましたが、テキストにそったお勉強だけでなく、自分の持つ悩みについて生徒全員で分かち合うというお勉強もしているとのこと。今日、私が体験したように、我が子も自分のことが整理でき、他の生徒さんのことを知ることにより感想・意見をもち、それが言葉にできる。とてもよい経験をさせて頂けていると思いました。

高校生の母、Dさん
今回は思春期がテーマだった。原稿を読みながら自分自身のことを振り返り、また他の参加者のお話を聞くことで、自分のことを相対化して考えてみる良い機会となった。

子どもは成長につれて、行動範囲が広がり、いろいろな人と接するようになり、親の影響範囲から次第に出て行く。子どもが小さい時期、親や先生は子どもを、建て前の綺麗事の世界に閉じ込めておこうとしがちだが、子どもが思春期に入ると、現実と建て前の矛盾に敏感に気がつき、大人たちに反発したくなる。やがて踏み出していかなくてはならない大人の世界に不安を感じる難しい時期が思春期なのだと、自分の遠い過去を振り返った。子どもたちには現実社会を過度に悲観的に見ることのなく、希望をもって自分の進む道を見つけ出して欲しいと思う。

また、「母親業はもう失業」という言葉も印象に残った。親と子の関係は終わることはないが、子どもを庇護する役割としての母親業は確かにもう終わりの時期で、子どもとの新しい関係、おそらくは、大人同士の対等の関係を気づいていかなければならない時期に来ているのだということに気がついた。

高校生の母、Eさん
「思春期は親子関係の作り直しをする時期」という田中先生のお話が一番印象深かったです。私達親も成長する事が必要だと思いました。

また、育児の先輩ママの話を伺って、悩みはその渦中にいると先がみえなく不安になるけど、解決策がわからないなりにも向き合い続けることが大切だと私なりに感じました。

子供の事を真剣に考え悩みもがいている同士とシェアできて、孤独から少し解放され、明日も頑張ろう!と思えました。

高校生の母、Fさん
今日は初参加させて頂きました。みなさん悩みや問題の大小はありますが やはり子育てや自分育てに向き合っている方々や 田中先生の温かい雰囲気にいい時間を持てたと思っています。
ともあれ やはり今の社会で生きて行く私達。今を受け入れて変わっていく勇気 変えてはいけない勇気をもらえました。

大学生の母、Gさん
今回のテキストに、『過酷な競走社会に脅され、見捨てられる不安に駆り立てられて生きる親が、わが子を脅して「よい子」競走に駆り立てる』、また、『自分の生き方や価値観をもう一度問い直しそれを再構築していくことを迫られる時期でもある。この時期を思春期に対して思秋期と呼ばれている』とあった。どちらもまさに私のことである。子供たちは既に高校を卒業しているので、一応子育ては卒業したが、現役の時は、「よい子」を目指した子育てであった。私にとっての「よい子」とは、どのような子供であったのであろうか。また、思秋期をどのように生きていけば良いのであろうか。

私の場合、「よい子」とは一般的によく言われるような、親のいうことを聞く子供のことではない。その考え方は、自身の幼少期の経験からきている。私の母は厳しい躾をする人で、口答えや言い訳はもちろんのこと、説明をすることさえ許されなかった。母の言うことが絶対であり、自分の意思に関係なく親の言うことを聞く、私自身が「よい子」であったのである。自分が子供を育てる時には、まずは子供の意見を聞いてから物事を判断しようと決め、そして、子供にも他人の意見を聞くように伝えた。それが相手への優しさであると信じていたからである。相手の意見を聞き、誰にでも優しく接していれば、いじめなどの過酷な問題にも立ち向かえる強さが身につくと真剣に思っていたのだから、我ながら単純過ぎた。思っていた以上に幼少期の経験が大きく影響していた。私は優しさであったので子供に求めることは違ったが、結局、母と同様に「よい子」を強制してしまった。

今、思秋期になって自身の生い立ちや子育てを振り返り、やっと自分探しをしている。母の裏返しではなく、自分はどのように思うのか、ハッキリと自分の意見を持てるようになるためにこれからも学習会を続けたい。

11月 14

「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)は、田中由美子を担当として2015年秋に始まりました。それから2年が過ぎ、学習でも運営面でも、確実に深まっていると思います。

来月12月3日(日曜)の学習会の案内を掲載します。

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12月の「家庭・子育て・自立」学習会(田中ゼミ)の案内
                                   田中由美子

大人のための「家庭・子育て・自立」学習会のご案内です。
年に数回開催し、親子関係や、その他現代の子どもを取り巻く様々な問題に関する悩みを話し合い、ご一緒に考えています。

前回、10月の学習会に続いて、12月も子どもたちの「思春期」について考えます。
10月は思春期の親子関係に焦点を当てましたが、12月は、思春期の子どもたち自身にいったい何が起こっているのかをテーマとします。

テキストは、現代の中学生を描いた小説、重松清著『エイジ』(新潮文庫)です。
中学生ともなると何を考えているのやらわかりにくいものですが、小説ですから、彼らの家庭や学校での思いが見事に表現されています。

小説の舞台装置としての「通り魔事件」をきっかけに、子どもたちが世間に「嘘くささ」を感じ、また自分自身にも戸惑います。
「思春期」とは何かがよく描かれていると思いますが、お子様のことや、ご自身の思春期に思い当たるようなところはあるでしょうか。

また、20年近く前に書かれた本書は、すでに生活、文化的には少々古いですが、テーマの一つである「シカト(=無視)」は現代版のいじめを象徴するものだと思います。

鶏鳴学園の中学生クラスの授業でも教材にしている小説なので、学習会では子どもたちの声も紹介します。

1. 日時:12月3日(日曜)14:00?16:00
2. 場所:鶏鳴学園
3. 参加費:1,000円(鶏鳴学園生徒の保護者の方は無料です)
4. テキスト:重松 清著『エイジ』(新潮文庫)
※ 時間が許す範囲で、またご興味に応じてお読みください。
小説について話し合うのではなく、目の前の子どもへの理解を深めるために、話し合う材料の一つとしましょう。

参加をご希望の方は、「家庭・子育て・自立」学習会ブログ内の、下記、お問い合わせフォームにて、開催日の一週間前までにお申し込みください。
https://keimei-kokugo.sakura.ne.jp/katei-contact/postmail.html

 連絡先 〒113-0034
  東京都文京区湯島1-3-6 Uビル7F
       鶏鳴学園 家庭論学習会事務局
  TEL 03?3818?7405
  FAX 03?3818?7958