4月 06

新たな年度と学期が始まりますね。
コロナ対策で追いまくられた2年間でしたが、ここらで本格的に学習を始めませんか。

私は、今年2月に『現代に生きるマルクス』(社会評論社)を刊行しました。
2年前に刊行した『ヘーゲル哲学の読み方』(社会評論社)と併せて、長年のヘーゲル・マルクスの研究に一区切りをつけ、現時点での私自身の立場を示すことができたと思っています。

この4年程は、この2冊を刊行する作業で忙殺されていて、余裕がありませんでした。
それが終わった今、この2冊を梃子にして、中井ゼミの学習を大いに深めて、その成果を発表していくつもりです。

1月から3月までは、プラトンの『国家』とエンゲルス『家族、私有財産および国家の起源』を読みました。ともに学ぶこと、考えさせられることが多かったです。しかし、十分に理解できたわけではなく、課題もたくさん出てきました。

それらの課題には、これから答えを出していきたいと思っています。

4月以降の読書会では、プラトンの『国家』をより深く理解するために、シリーズとして、哲学史の古典中の古典を読んでいきます。4月には中井の『現代に生きるマルクス』を取り上げます。

どうぞ、読者のみなさんも、積極的に学習会に参加してください。

◇◆ 4月から7月の読書会テキスト ◆◇

(1)4月24日は、今年2月に刊行された中井の『現代に生きるマルクス』(社会評論社)を取り上げます。

マルクスの思想、唯物弁証法、唯物史観を検討する本を出すことは、
2020年に『ヘーゲル哲学の読み方』を刊行する時に、
次はマルクスと決めてありました。

20世紀の世界の動向を考える時、マルクスの思想は、常にその中心軸の1つでした。
これに対して自分はどう考え、どういう立場をとるのか。
それは人間が主体的に生きようとするならば、どうしても答えを出さなければならない課題だと思います。

難しいところがあり、大部な本でもありますので、読んで検討する箇所をいくつかにしぼって、みなさんと考えてみたいと思います。

(2)5月22日はヘーゲル『哲学史講義?』(河出文庫)からソクラテスとプラトンについての説明部分を読みます。
具体的には第2章の「B ソクラテスの哲学」と第3章の「A プラトンの哲学」です。

今年の1月、2月にプラトンの『国家』を読んだのですが、まだまだその核心には迫れていないように思います。

ここで、ヘーゲルのプラトン理解を読むことで、私たちがさらに先に進めると思います。ヘーゲルの理解の大きさと深さは、他を圧倒していますから。

(3)6月19日はヘーゲル『哲学史講義?』(河出文庫)からアリストテレスについての説明部分を読みます。
具体的には第3章の「B アリストテレスの哲学」です。

アリストテレスは、ソクラテスから始まり、プラトンがまとめた哲学を、さらに自然と社会の全分野にまで拡大し、それらを総合してギリシャ哲学を完成させた大物です。

その『形而上学』が、ヘーゲルの論理学に圧倒的な影響を与えています。
そのアリストテレス哲学を、ヘーゲル自身の説明によって、より深く理解できると思います。

(4)7月17日はアリストテレスの『詩学』(光文社古典新訳文庫)を読みます。

『詩学』は「西洋における芸術論の古典中の古典」(文庫訳者)だそうです。
『詩学』とありますが、詩を論じているのではなく、演劇(悲劇や喜劇)を通して「創作」を論じているものです。

これを読みたいのも、実はプラトンの『国家』と関係します。
プラトンの『国家』は、哲学書であると同時に、対話編で書かれた最高の文学だと思います。しかし、プラトンは『国家』では、文学、演劇(悲劇も喜劇も)に対して全否定に近い立場を打ち出します。国民をだめにするとして。

プラトンは、哲学に対しても、それが感受性の強い若者たちをだめにして使い物にならなくすると批判していて、文学や芸術に対してだけ厳しいのではないのですが、その文学、演劇(悲劇も喜劇も)、芸術批判についても考えてみたいと思います。

哲学と芸術への厳しい批判は、プラトンにとってはそのまま自己否定を意味するのですが、こうした二重性がプラトンの核心にあるようです。その意味を深く理解したいと思います。

◇◆ 4月から7月の中井ゼミの日程 ◆◇
 
4月から7月の中井ゼミの日程は以下の通りです。

いずれも日曜日で、午後2時開始、すべてオンラインでの実施の予定です。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。

月の前半は、文章ゼミ+「現実と闘う時間」を行い、
月の後半では、読書会+「現実と闘う時間」を行う予定です。

「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。

参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。

ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

4月
 10日
 24日

5月
 8日
 22日

6月
 5日
 19日

7月
 3日
 17日

◇◆ ヘーゲルゼミ再開 ◆◇

毎週月曜日に行ってきたヘーゲルゼミを、しばらくお休みしていましたが、5月から再開します。

ヘーゲルの『哲学史講義?』のソクラテス、プラトン、アリストテレスの説明から、重要な個所を原書で読みます。

関心のある方は、連絡してください。

2月 10

読書会テキスト

4月24日は、今年1月に刊行された中井の『現代に生きるマルクス』(社会評論社)を取り上げます。

マルクスの思想、唯物弁証法、唯物史観を検討する本を出すことは、
2020年に『ヘーゲル哲学の読み方』を刊行する時に、
次はマルクスと決めてありました。

20世紀の世界の動向を考える時、マルクスの思想は、常にその中心軸の1つでした。
これに対して自分はどう考え、どういう立場をとるのか。
それは人間が主体的に生きようとするならば、どうしても答えを出さなければならない課題だと思います。

大部な本ですので、読んで検討する箇所をいくつかにしぼって、みなさんと考えてみたいと思います。

2月 09

2022年4月から7月の中井ゼミの日程

4月から7月の中井ゼミの日程は以下の通りです。

いずれも日曜日で、午後2時開始、すべてオンラインでの実施の予定です。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。

月の前半は、文章ゼミ+「現実と闘う時間」を行い、
月の後半では、読書会+「現実と闘う時間」を行う予定です。

「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。

参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。

ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

4月
 10日
 24日

5月
 8日
 22日

6月
 5日
 19日

7月
 3日
 17日

1月 04

本年2022年1月から3月の中井ゼミの日程と1月から3月までの読書会の詳細をお伝えします。

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読書会テキスト

(1)1月23日、2月20日はプラトンの『国家』岩波文庫 上下巻

政治家は哲学者でなければならない。
私有財産も、家族も、持ってはならない。
それはどういう意味でしょうか。

タイトルは「共和国」(今でいえば「民主主義国家」)であり、サブタイトルは「正義について」です。

『国家』は大部であり、丁寧に考えたいので、2回で読みます。
1月は上巻、2月は下巻を範囲とします。

この本に対しては、「現実的でなく、ただの理想論を展開しているだけだ」といった批判がありますが、それはとても表面的な理解だと思います。
この本は、国家の生成過程から、経済と分業、市場と国家、そして戦争へと話を進めます。
とてもリアルに国家の実態を見抜き、その問題(敵)を押さえた上で、その問題の克服を考えている本です。
その問題(敵)とは、自分だけが良ければ良いといったエゴイズムであり、そうした個人主義であり、そうした民主主義国家です。つまり今の私たちの日本社会のことです。

この本は以前から、いつか読みたいと思いながら、手が出せませんでした。
今なら、何とか勝負に持ち込めそうだと思います。

それはヘーゲルの『法の哲学』の序文で、プラトン『国家』に言及した箇所があり、そこで、この本の意図や意味について大きなヒントを得たように思うからです。
当日は、このヘーゲルの文章から始めることにします。
参加者には、ヘーゲルの文章は送りますから購入する必要はありません。

なお、「弁証法」という思考法はヘーゲル、マルクスによって有名になりましたが、もともとはプラトンが展開したソクラテスの対話法から生まれた言葉です。
そのことも考えてみたいと思います。

(2)3月20日はエンゲルス『家族、私有財産および国家の起源』国民文庫

タイトルの通りの内容です。
家族、私有財産、国家について考えるための古典であり、議論の前提となる本です。

プラトンの『国家』も、国家の起源から始まり、家族、私有財産を論じていきます。
ですから、ただ、エンゲルスの考えを追うだけではなく、プラトンとエンゲルスを比較しても考えてみたいと思います。

個人が個人としてどのように生まれたのか、それは家族から生まれた、家族と共同体との対立と協同の中から生まれたとエンゲルスは考えています。
これも検討したい論点です。

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毎週月曜日には、ヘーゲル、マルクスなどの原書購読をしています。
これは今はお休みをいただいています。
再開し次第、報告します。

1月 03

迎春

本年2022年1月から3月の中井ゼミの日程は以下の通りです。

いずれも日曜日で、午後2時開始、すべてオンラインでの実施の予定です。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。

月の前半は、文章ゼミ+「現実と闘う時間」を行い、
月の後半では、読書会+「現実と闘う時間」を行う予定です。

「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。

参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。

ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

1月
 9日
 23日

2月
 6日
 20日

3月
 6日
 20日