6月 13

高校作文教育研究会(高作研)運営の8月開催の日本作文の会主催の全国作文教育研究大会(九州・福岡大会)での高校分科会について御案内します

高校作文教育研究会は、中井が関わっている高校段階を中心とした表現指導の研究会です。
年に3・4回の例会を開催し、夏には全国大会の高校分科会を運営しています。

今年の夏の高校分科会では、私も報告をします。
また、農業高校での宮田晃宏さんの実践報告や、中俣さんの実践報告を私も楽しみにしています。
今年、宮田さんの実践を知り、感銘を受けました。国語という教科とは無縁の教師が、ただただ目の前の高校生のためになることを必死でやった結果、それが3年間の膨大な表現指導となったのです。それによって高校生が生まれ変わったように、それぞれの夢を持ち、その夢に向かって走り出します。
関心のある方は、ぜひ、おいでください。晩には懇親会もあり、じっくりと話し合うことができます。

◎8月全国作文教育研究大会(九州・福岡大会)での高校分科会「青年のことばと表現」の案内

高校作文教育研究会は、今年も、「日本作文の会」主催の「全国作文教育研究大会」で、高校分科会「青年のことばと表現」を運営します。
みなさん、どうぞ奮ってご参加ください。

今年の全国大会は、8/3?5、福岡で開催されます。高校作文教育研究会が担当している高校分科会は、8月4日(午前と午後)?5日(午前中)に行います。
高校2本、中学・専修学校各1本のレポートが報告されます。
思春期から青年期にかけての生徒・学生たちとのどんな文章表現による取り組みが発表されるのか、今年も注目です。

〈高校分科会での報告の概要と発表者〉
8月4日(土)

1 作文「自己を見つめて」を通して生徒につけさせたい感性と力
中村 薫(北海道・中学)

自分を取り巻く環境や自分の姿に向き合わせ、これまでどう生きてきたのか、これからどう生きるのかを考えさせるための実践を報告する。時代は変化しても子どもにとって大切な学習であるとは思いつつ、文科省の学力調査の悪しき影響をまともに受けて、義務教育の中では、生活文を書かせること自体に困難さを感じながら指導している。

2 文章表現指導は全科目指導そして全学校生活指導
宮田晃宏(熊本・高校)
         
指導困難校である農業高校において行った実践。クラス経営の根幹としての「書かせる指導」であり、生活・学習習慣・進路だけでなく、その生徒の人生にも多大なる効果をもたらした。方法としては、週に2本、1,000字程度で、身の回りの事・時事・農業について書かせた。これは、農業教科教員(採用:食品製造)の指導で、一個人でもできる実践である。

3 個人の問題と組織(ルール)の問題
中井浩一(東京・国語専門塾)

鶏鳴学園の中高生は作文の題材として、クラブや部活、文化祭や体育祭などでの運営面の諸問題をよく書いてくる。しかし読んでいておかしいと思うことが多い。組織の問題であるにも関わらず、個人の問題ばかりが取り上げられて、組織(ルール)が問われることがほとんどない。現在の学校では、どうもこのルールに大きな問題があるようなのだ。
鶏鳴学園では、組織のルールと個人の関係を整理し、生徒には問題への原則を提案し、それに基づいた問題解決をうながしている。

昨年秋の高校2年生への意見文とこの春の小論文講習での指導から、生徒の認識の深まりや、実際の活動や考え方の変化を報告したい。意見文や小論文指導の意義や役割についても考えてみたい。

8月5日(日)
 「ありのままに書くこと」「読み合うこと」は「後ろに発達を従えた教育である」か?
中俣勝義(鹿児島・専修学校)

柴田義松著『ヴィゴツキー入門』(寺子屋新書)のなかの、「明日の発達に目を向ける教育」というところに≪教育はつねに「後ろに発達を従えた教育」でなければならないのです≫という言葉がある。
私は勤務する看護専門学校で学生たちと『蟹工船』(小林多喜二作)を講読している。『蟹工船』を読み解き、書き合い読み合う中で、桜子は、自分自身と向き合い、家庭の貧困を語り出す(内面的発達)。学生たちが書いたレポートを読んで、果たして「書くこと」「読み合うこと」が、「発達を後ろに従えた教育」であるかを皆さんとともに検証してみたい。

○高校分科会への参加をご希望の方は、下記、高校作文教育研究会ブログ内のお問い合わせフォームにてお申し込みください。
https://keimei-kokugo.sakura.ne.jp/sakubun-contact/postmail.html

○なお、分科会参加のためには、大会参加券が必要です。
大会参加券や宿泊については、以下「全国作文教育研究大会の全体について」の「参加券」「宿泊」を参照してください。

○「全国作文教育研究大会の全体について」
■ 期日・会場
8月3日(金)全体会 西南学院コミュニティセンター・ホール
8月4日(土)分科会 西南学院小学校
8月5日(日)分科会・全体会・特別講演 早良市民センター

■ 参加券
3日通し前売り券 教職員5,000円 退職教職員3,000円
(当日参加はそれぞれ500円増し)
各自で申し込んでください。
→申込先  現地実行委員会事務局 楳本晃章(うめもとてるあき)
TEL 070-6949-5399 FAX 092-608-0367
PCメール:umemoto@d7.dion.ne.jp
携帯メール:teruakiumemoto@willcom.com

■ 宿泊 案内にあるホテルをご利用ください。
詳しくは、nissaku.c.ooco.jp/2018fukuoka.pdf で検索してください。

※詳細は、「日本作文の会」のHP http://nissaku.c.ooco.jp/ をご覧ください。

6月 12

高校作文教育研究会(高作研)の6月例会(6月24日(日))について、御案内します

高校作文教育研究会は、中井が関わっている高校段階を中心とした表現指導の研究会です。
年に3・4回の例会を開催し、夏には全国大会の高校分科会を運営しています。

高作研に関心のある方は、以下のブログから、研究会の活動の詳細を知ることができます。
また参加申し込みもできます。

高校作文研究会ブログ
http://sakubun.keimei-kokugo.net/

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6月例会(6月24日(日))の案内

6月の例会では二つの報告と、その討議があります。
一つ目は、茨城の菅井さんの実践報告です。長編小説を読みあい、エッセイを書きました。どのように指導され、どんな作品が生まれているのか、たいへん楽しみです。
二つ目は、運営委員の一人、宮尾さんの報告です。今は、若者たちの保守化が問題にされますが、自衛隊や戦闘機などに関心の高い「右翼少年」がとても多いのです。こちらも今ぜひ考えたいテーマです。

例会の時間が午後になっています。ご注意ください。

1 . 期 日   2018年6月24日(日)13:00?16:30

2. 会 場  鶏鳴学園
〒113?0034  東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
ホームページ https://www.keimei-kokugo.net/
 ※こちらで地図をご覧ください

3. 報告の内容
(1) 同時代・純文学小説の読解とエッセイによる表現の可能性
茨城 太田第一高校 菅井洋実

論理的な文章の読解と、推論に基づいた論理的表現の重要性が再認識されている一方で、文学の担う役割はますます重要になってきているのではないか。
人生を真摯に生きていくなかで、ときには断言て?きず決然たる立場を取り得ないことや、語り得ないことについて沈黙することか?、知的誠実さて?あるような局面も現に存在するのて?はないか。
論理と論理の狭間で明確に形を結ばないものを、有意化しようとする言説の過程で、どこにも回収されずに漂っている、未言語で一見無意味に見える「あわい」ものを、切り捨てず語らせることは、国語教育に関わる者の本来的な使命のひとつではないか。

昨年度、高校1年次の国語総合(現代文)の授業で、後期10週19回にわたり導入の時間を使い長編小説(『淵の王』舞城王太郎著)を読破させた。
生徒が同時代純文学の魅力に触れて成長するようすを、生徒のエッセイ作品を通して報告し、 論理的な文章の読解と表現だけでは得られない、豊かな文章表現の広がりと可能性を考えたい。

(2) 18歳選挙に見る生徒の姿から生徒の学びを考える
?「右傾生徒」をどう考えるか?
東京 正則高校 宮尾美徳

選挙権を手にした高校生による新聞読み比べ作文には、これまで見たことのない高校生の本音が現れた。彼らの生活の現実とその政治感覚がまったくつながっておらず、総じて右傾化している。それはなぜなのか? 3年間で何を学ばせるべきなのか? 生徒の作文から考えたい。

4. 参加費   1,000円(会員無料)

5. 参加をご希望の方は、下記、高校作文教育研究会ブログ内のお問い合わせフォームにて、開催日の一週間前までにお申し込みください。
https://keimei-kokugo.sakura.ne.jp/sakubun-contact/postmail.html

6月 04

7月のゼミの日程が決まりました。

6月7月のゼミ日程

6月
17日(日曜)

7月
1日(日曜)ただしウェブで実施
22日(日曜)

基本的に、開始を午後2時とします。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。

毎回、文章ゼミ+「現実と闘う時間」を行います。
毎月後半では読書会を行う可能性がありますが、その際はテキストが決まり次第連絡します。
なお、「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。

参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。

ただし、参加には条件があります。
参加費は1回2000円です。

また8月16日(木曜)から19日(日曜)まで3泊4日で合宿を行います。
関心のある方は連絡ください。
ただし、参加には条件があります。

5月 30

武蔵野市立吉祥寺美術館で
江上茂雄:風景日記 diary/dialogue with landscapes
が開催されています。

本日立ち寄りました。
久しぶりに、良い絵を見たと思いました。
静かですが、とても強い絵です。
心の奥が動き、胸にしみます。
まったく無名に近い画家なようで、私は全く知りませんでした。
2018年5月30日

以下は吉祥寺美術館のホームページから

会期:2018年5月26日[土]ー7月8日[日]
休館日:一般300円・中高生100円 ※小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料。
主催:武蔵野市立吉祥寺美術館

1912(明治45)年に福岡県山門郡瀬高町(現在の福岡県みやま市)に生まれた江上茂雄は、幼い頃から突出した絵画技量を発揮しながらも、12歳になる年に父を亡くすという家庭環境のもと専門教育課程への進学は望まれず、高等小学校卒業後15歳で三井三池鉱業所建築設計課に就職する。以後、会社勤めの収入により母・妻と4人の子の生活を支えるかたわら、「画家として生きる」という少年時代の決意を貫き、独学でクレパス・クレヨンによる表現を極めていく。1972(昭和47)年の定年退職後は、それまで暮らした大牟田から隣接する熊本県・荒尾に転居し、度重なる眼病や脳血栓を克服後、1979(昭和54)年から2009(平成21)年頃までの約30年もの間、正月と台風の日を除く毎日、水彩画の道具を担ぎ徒歩で自宅を出発し、その日の制作地を探し当て、1日1枚、戸外で写生による風景画を仕上げるという生活を続けた。

そして、2014(平成26)年2月、2万点以上に及ぶ絵を荒尾の自宅に残し、101歳でその生涯を閉じた。

遠く離れた場所で芽吹く美術の最新動向を常に意識しながらも、自分が生まれた土地を離れることなく、誰に教えを乞うこともせずに、制作者としての己と向き合い続けた江上茂雄。都内で初めてこの人を紹介する機会となる本展では、とりわけ、江上が青年期から描き続けた大牟田、そして定年後に毎日描いた荒尾の〈風景画〉に焦点を当てている。それらは、日々、そばに寄り添う自然と対話し続けた江上の足あとをたどるものであり、土地の人々が「路傍の画家」・江上茂雄を目撃した場と時の記録であり、さらには、絵の前に立つ誰かが、自らの過去の記憶に触れずにはいられなくなる風景でもある。

5月 02

高校作文教育研究会の再出発
1998年に我々高作研が発足してから20年、2016年には『「聞き書き」の力』を大修館書店より刊行し、活動の成果を一応形にすることができました。一区切りついたところで、昨年の秋以降半年ほど、今後の方針を巡って、運営委員で話し合いを続けてきました。
高校3年間を貫くような指導体系、基礎となる経験作文の意味や諸問題、高校段階のゴールとしての論理的な文章の意味や諸問題、そうしたことをテーマにして、共同研究を重ねていきたいと思います。

以下、5月例会は、そうした方針をもっての最初の例会になります。

高校作文教育研究会5月例会
2つの報告と討議があります。

1つめは、古宇田さんによる、表現指導の入門期の指導についての報告です。入門期の指導は重要です。始まりがその後のすべてを決めるからです。どういう考えで、どういう指導をしていったらよいのでしょうか。それを古宇田さん自身の若かりし日の実践を題材にして検討します。
古宇田さんは、長く日本作文の会の常任委員を務めてきました。その古宇田さんの「初心」が聞ける貴重な機会になると思います。

2つめは、中井さんによる意見文、小論文の指導の実践報告です。クラブや部活、文化祭や体育祭などの行事作文や、それに関する意見分はよく書かれていると思います。そこには様々な問題が出てきますが、本来はどういう観点からの、どういった指導が必要でしょうか。それを検討したいと思います。
中井さんは、『日本語論理トレーニング』や『脱マニュアル小論文』などの著書があり、そのエッセンスを聞く機会です。

みなさんにとって、すぐに参考にして授業に生かしていただけるとともに、表現指導をさらに本質的に考えていくヒントにもなると思います。どうぞ、みなさん、おいでください。

1  期 日   2018年5月27日(日)13:00?16:30

2 会 場  鶏鳴学園
〒113?0034  東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F        
 TEL 03?3818?7405
 FAX 03?3818?7958
ホームページ https://www.keimei-kokugo.net/   ※こちらで地図をご覧ください
       
3 報告の内容

(1) 初めての実践「今でも忘れられないことを、出来事の通りに、詳しく書いてみよう」を
書かせた時のこと
茨城 古宇田栄子

1973年、教師2年目で初めてやった作文の授業を報告します。

当時、班日誌の指導に行き詰まっていた私は、「あったことをあったとおりに、事柄を押さえながら詳しく書いていく展開的過去形表現」の方法で、
「長い間の生活の中で、今でも忘れられないある日ある時のことで
喜んだり 悲しんだり 苦しんだり 腹立ったりしたことなどを
よく思いだして、時間の順序に生き生きと書く。」(高校2年)
を指導しました。
その時生まれた生徒作品「私の胸に輝く日々」が今でも私を励ましてくれます。事柄をふまえて書くこと、がすべての文章表現指導の始まりであると思います。

自分が書きたいことは何か、を考えさせること。
事柄をふまえて書く、詳しく書くということはどういうことか。
誰でも実践できる入門期の指導をやさしく詳しく報告するとともに、それが若い先生たちと今時の生徒たちに通用するのか、どう役立たせることができるのか、を皆さんとともに考えたいと思います。

(2) 個人の問題と組織(ルール)の問題
                                      東京 鶏鳴学園  中井浩一
 
鶏鳴学園の中高生は作文の題材として、クラブや部活、文化祭や体育祭などでの運営面の諸問題をよく書いてくる。しかし読んでいておかしいと思うことが多い。組織の問題であるにも関わらず、個人の問題ばかりが取り上げられて、組織(ルール)が問われることがほとんどない。現在の学校では、どうもこのルールに大きな問題があるようなのだ。
鶏鳴学園では、組織のルールと個人の関係を整理し、生徒には問題への原則を提案し、それに基づいた問題解決をうながしている。

昨年秋の高校2年生への意見文とこの春の小論文講習での指導から、生徒の認識の深まりや、実際の活動や考え方の変化を報告したい。意見文や小論文指導の意義や役割についても考えてみたい。

4 参加費   1,000円(会員無料)

連絡先  田中由美子 (鶏鳴学園)
メールアドレス keimei@zg8.so-net.ne.jp