11月 02
◇◆ 旧約聖書を読んで ◆◇
1.ごろつきばかりの物語 (本日11月2日掲載)
2.旧約についてのメモ (明日11月3日掲載)
1.ごろつきばかりの物語
私は聖書については、旧約も新約も通読したことはなかった。
今回、「創世記」を初めて通読した。これが旧約かと、たじろいだ。
初回の通読では、ビンビンに感じるどころか、わけがわからなかった。巨大な謎。巨大な矛盾。混沌。
ろくな奴が出てこない。やくざ者ばかり、悪人、犯罪者たち、ごろつきばかりである。
その悪や犯罪もそれほど大きなものではなく、ちんまりしている。
色と欲望、嫉妬、ねたみ、意地とプライド、ばかしあい、だましあい…。
つきあっていられない。低レベルの同じような話ばかりで、退屈でつまらなかった。
こんな連中と関わる神も大したことがないなあ。こんな連中の物語が、なぜ「人類最大の遺産」なのか。わけがわからない。
正直、もう降りたくなったが、テキストに旧約を選んでしまった責任があるし、
外部からの参加申し込みが結構あって、やるしかなかった。
そこで、何冊かの解説書を読んでみた。
背景の古代社会のあり方、ユダヤ民族の歴史、旧約の成立史など、少しずつわかってくることもあった。
さらに「創世記」全体を2回通読し、2部(その内部ではヤコブとその前2代アブラハムとイサクの物語)は3回通読した。
読みながら、気づくことがあった。
ここには、一切の虚飾や粉飾はない。圧倒的なリアルさである。
ごろつきは、ただごろつきである。ヤコブ(イスラエル)などは、ごろつきそのものではないか。
そして、ごろつきがごろつきのままに、神と契約を結び、神との関係の中で生きて行く。
しかしそれによって、善人に生まれかわるようなことはない。ごろつきのままに、深まっていく。それがすごい!
それにしても、これだけごろつきばかりの物語を、自分たち民族の基礎とするユダヤ人とは、これも尋常ではない。
このごろつきヤコブはイスラエルの12部族の始祖なのである。
そのリアルさは、個々の人間についてだけではない。
当時の社会矛盾、奴隷、差別、タブーなどが、これまた粉飾なしに赤裸々に語られている。
11月 01
★この秋のゼミの中間報告
9月から、遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。
新たな参加者が増えています。
9月から読書会では旧約聖書(中公クラシックス)を読んでいます。
9月と10月で創世記を読み終えました。
ここまでを読んで思ったこと、考えたことの一部を明日に掲載します。
旧約はとても難解で、巨大な謎のようです。
それにとッついてはみるものの、わけがわからず途方に暮れていました。それでも何とか食らいついて、考えたことをまとめました。
さらに2回をかけて、旧約の全体に触れておきたいと思います。
11月には「出エジプト記」、
12月には「伝道の書」と「イザヤ書」を読みます。
聖書を読みたいと思っていた人にはチャンスです。
ぜひ、参加してください。
◇◆ ゼミの日程 ◆◇
11月
7日(土)文章ゼミ+「現実と闘う時間」
22日(日)読書会+「現実と闘う時間」
12月
5日(土)文章ゼミ+「現実と闘う時間」
20日(日)読書会+「現実と闘う時間」
9月 29
読書会では聖書(旧約と新約)を読んでいますが、9月の読書会(旧約の1回目)を終えて、10月以降の進め方に変更があります。
9月は「旧約聖書」(中公クラシックス) から「創世記」を読みましたが、
全体で3部に分かれるうちの第2部(アブラハムからイサク、ヤコブ物語まで)だけを読んで終わりました。
当初は「創世記」を1回で読み終える予定でしたが、無理だということがわかりました。
旧約は内容が豊穣であり、かつ難解で、ゆっくり丁寧に読み進める必要があることがわかりました。
そこで次のように、テキストの範囲を変更します。
10月は「旧約聖書」(中公クラシックス)から「創世記」の第1部(1章から11章)と第3部(37章以降)
11月は「旧約聖書」(中公クラシックス)から「出エジプト記」その他
12月は「新約聖書 福音書」 (岩波文庫)を予定していますが、
もう1回「旧約聖書」にあてるかもしれません。11月の読書会次第です。
9月 07
9月以降のゼミの日程、読書会のテキストについてはすでに連絡しました。
9月、10月の読書会のテキスト(旧約聖書)の読む範囲を決めましたから、それをお知らせします。
参加希望者は準備をしてください。
9月27日は「旧約聖書」(中公クラシックス) から「創世記」
10月24日は「旧約聖書」(中公クラシックス)から「出エジプト記」その他
11月22日は「新約聖書 福音書」 (岩波文庫)
です。
聖書(キリスト教)は西欧を理解する上での大前提で、その根底をなしているものです。
私には子供の時から聖書(キリスト教)が身近にありました。
思春期以降は、西欧の作家たちの小説で、繰り返し、聖書に親しんできました。
しかし、聖書そのものを自分で読もうとまでは、なかなか気持が定まりませんでした。
でも、もうそろそろ、その時期が来たと思うようになりました。
ヘーゲルの『小論理学』の24節の付録3で、創世記の失楽園の物語が取り上げられています。それは、人間が知恵の実を食べて楽園を追われたこと、人間の原罪と労働との関係などを論じ、人間の存在の根源に迫るものです。
それを読んで、以前よりも理解が深まったと思いました。今なら、聖書を読んでも、ある程度は理解ができるのではないか。
そこでこの秋には聖書に挑戦してみようと思います。
8月 20
9月以降のゼミの日程が決まりました。
参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに(読書会は1週間前まで、文章ゼミは2週間前まで)申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。
ただし、参加には条件があります。
参加費は1回2000円です。
1.2015年9月以降のゼミの日程
基本的に、文章ゼミと「現実と闘う時間」は開始を午後5時、
読書会と「現実と闘う時間」は開始を午後2時とします。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。
なお、「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。
9月
12日(土)文章ゼミ+「現実と闘う時間」
27日(日)読書会+「現実と闘う時間」
10月
10日(土)文章ゼミ+「現実と闘う時間」
24日(土)読書会+「現実と闘う時間」
11月
7日(土)文章ゼミ+「現実と闘う時間」
22日(日)読書会+「現実と闘う時間」
12月
5日(土)文章ゼミ+「現実と闘う時間」
20日(日)読書会+「現実と闘う時間」
2.読書会テキスト
9月は「旧約聖書」(中公クラシックス)
10月は「新約聖書 福音書」 (岩波文庫)
です。
聖書(キリスト教)は西欧を理解する上での大前提で、その根底をなしているものです。
私には子供の時から聖書(キリスト教)が身近にありました。
思春期以降は、西欧の作家たちの小説で、繰り返し、聖書に親しんできました。
しかし、聖書そのものを自分で読もうとまでは、なかなか気持が定まりませんでした。
でも、もうそろそろ、その時期が来たと思うようになりました。
ヘーゲルの『小論理学』の23節の付録3で、創世記の失楽園の物語が取り上げられています。それは、人間が知恵の実を食べて楽園を追われたこと、人間の原罪と労働との関係などを論じ、人間の存在の根源に迫るものです。
それを読んで、以前よりも理解が深まったと思いました。今なら、聖書を読んでも、ある程度は理解ができるのではないか。
そこでこの秋には聖書に挑戦してみようと思います。
9月には「旧約聖書」(中公クラシックス) を読みますが、1回で終わらなければ、2回にわけて読むことも考えています。
3.ヘーゲルゼミ
(1)隔週土曜日晩(午後7時開始)にヘーゲルを翻訳で読む学習会
牧野訳でヘーゲル『精神現象学』の第6章精神から読み進めたいと思います。
9月19日、10月3日、10月17日、10月31日、11月14日、11月28日、12月12日を予定
(2)毎週月曜晩(午後6時開始)のヘーゲル原書購読
『小論理学』の存在論の定存在と独立存在を読みます。
それが終わった後は、『大論理学』で該当箇所を読むつもりです。
9月14日から開始予定