11月 18
11月6日に、全国高等学校長協会の部会である、教育課題協議会において、講演をした。
新しい学習指導要領の意義についてお話しした。
内容は、9月22日のブログで報告したことと同じなので、ここでは繰り返さない。
講演会終了後、全国高等学校長協会の会長の戸谷賢司氏、事務局長の小栗洋氏と話をした。
今の全国高等学校長協会にとっての最大の課題は、高大接続テストである。
このテストの趣旨は、大学生の学力保障のために、高校生の学力保障をしようとするものだ。
しかし、この問題は、突き詰めれば、そもそも、今の日本社会にとって「高校」とは何か、を問うことになる。
高校は義務教育ではないが、一方で97%の高校進学率を持つ。
高校卒業資格は、通学せずとも試験で簡単に入手できる一方で、
通学すると卒業までの単位は膨大で3年はかかる。
小中の義務教育で「落ちこぼれ」た大量の子どもたちが、
そのまま高校に在籍しながら、実態とかけ離れた学習指導要領と単位認定を受ける。
つまり、高校教育とは、日本の教育の矛盾が集約的に現れているポイントなのだ。
そこに、今、民主党の高校教育の無償化の政策が出てきている。
本来は、「無償化」の前に、高校教育の位置づけを、再度、国民的に議論するべきだろう。