11月 08

高校作文教育研究会の11月例会(11月11日(日))の案内です

高校作文教育研究会は、中井が関わっている高校段階を中心とした表現指導の研究会です。

年に3・4回の例会と、夏には全国大会を開催しています。
関心のある方は、以下のブログから、研究会の活動の詳細を知ることができます。
また参加申し込みもできます。

高校作文研究会ブログ
http://sakubun.keimei-kokugo.net/

今回は、鹿児島の中俣さんによる看護学科での実践報告と討議です。
中俣さんは長く中学校での実践を積み重ねてきました。
退職後、看護学科に場を移し、中学での実践を基にすぐれた実践を積み重ねていて、そこでは今の若者たちの抱える問題がリアルに真摯に取り上げられています。
その実践が著書『若者たち、蟹工船に乗る』(青風舎)にまとめられ今月に刊行されます。
この刊行を記念しての学習会です。

なお、例会の時間が午後だけになっています。ご注意ください。

今回は直前の案内になってしまいすいません。
テキスト、『若者たち、蟹工船に乗る』(青風舎)は当日にお渡しできます。

1  期 日   2018年11月11日(日)13:00?16:30

2 会 場  鶏鳴学園
〒113?0034  東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
ホームページ https://www.keimei-kokugo.net/
※こちらで地図をご覧ください

3 報告内容

『蟹工船』の授業で学生が変わるのはなぜか

鹿児島 神村学園  中俣 勝義

私は神村学園高等部看護学科で、『蟹工船』を、週一回木曜の午前に、一コマ90分の講義を二コマ教えている。
最初の一コマで、『蟹工船』を読み、次の一コマで、キーワードを中心に現代の社会状況と比べて、読みを深める。
または、その逆だったりする。

学生たちには毎回授業後に感想を書いてもらう。
それには自分の切実な問題を書いてくる学生もいて、それらを次の授業の中で皆で読み合う。

そうしたなかで、わずか7回しか顔を合わせない学生たちが自ら心を開き、変容していく姿が不思議でならなかった。
ある人は中俣先生だからできたことで他の人にできることではないという。
また学生たちも、どうして先生には心を開くのか不思議だとも書く。
しかしそれでは、個人の問題に矮小化されて実践の広がりにはならない。
そこで考えたのは、『蟹工船』にある、教師のことばにある、弁証法が子どもたちを揺さぶるのではないかということである。

今回の報告は、感想の中で「セフレ(セックスフレンド)としか見られないなら完璧なセックスフレンドになってやる!」と書いた女子学生が、『蟹工船』を学ぶなかで「私は16歳から本当の恋をしたことがありません。なぜか分からなかったのですが、『蟹工船』を読み深めていくうちに分かりました。それは、人から愛されることを望むばかりで、人を愛そうとしない、自分を愛そうとしないからなんだって分かりました」と書いてきた。
彼女がなぜ変容できたかをともに考えようというレポートである。

4 参加費   1,000円(会員無料)
 ※テキストをこちらからお送りした方は、本の代金と送料も当日お支払いください。

5 参加をご希望の方は、下記、高校作文教育研究会ブログ内のお問い合わせフォームにて、お申し込みください。
https://keimei-kokugo.sakura.ne.jp/sakubun-contact/postmail.html

10月 20

ヘーゲルゼミを再開しています。

毎週月曜日夕方から、ウェブで行います。

参加希望者は早めに申し込みをしてください。
ウェブでの参加方法も、事前に指導します。

ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

?午後5時から 原書講読
 小論理学(ズーアカンプ社版全集第8巻)
理念論を読んでいます。
  
?午後7時から 日本語で読む時間
テキストは原書講読に応じて、その都度適宜選びます。

10月 16

11月4日の読書会テキストについて

10月には石牟礼道子著『新装版 苦海浄土』を読みました。

11月には、公害としての水俣病に、研究者としての立場から取り組んだ宇井純氏、原田正純氏のテキストを読みます。

原田正純『水俣病』(岩波新書 B113)と
宇井純の『宇井純セレクション』第2巻(新泉社)です。

原田正純『水俣病』の範囲は特に、?、?、?とします。80ページほど。

宇井純『セレクション』第2巻からは
「ことばへの憎しみ」
「公害に第3者はない」
を読みます。全部で40ページ弱です。

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11月以降の中井ゼミの日程と読書会テキストについてお知らせします。

日程は以下です。

11月
 4日  読書会+「現実と闘う時間」
 18日 文章ゼミ+「現実と闘う時間」

12月
 2日  読書会+「現実と闘う時間」
 16日 文章ゼミ+「現実と闘う時間」

毎回、読書会+「現実と闘う時間」または文章ゼミ+「現実と闘う時間」
を行います。
なお、「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。

いずれも日曜日で、午後2時開始予定です。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。

参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。

ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

9月 27

ヘーゲルゼミを再開しています。

毎週月曜日夕方から、ウェブで行います。

参加希望者は早めに申し込みをしてください。
ウェブでの参加方法も、事前に指導します。

ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

?午後5時から 原書講読
 小論理学(ズーアカンプ社版全集第8巻)
理念論を読んでいます。
  
?午後7時から 日本語で読む時間
テキストは原書講読に応じて、その都度適宜選びます。

9月 26

10月以降の中井ゼミの日程と読書会テキストについてお知らせします。

日程は以下です。

10月
 7日  読書会+「現実と闘う時間」
 21日 文章ゼミ+「現実と闘う時間」

11月
 4日  読書会+「現実と闘う時間」
 18日 文章ゼミ+「現実と闘う時間」

12月
 2日  読書会+「現実と闘う時間」
 16日 文章ゼミ+「現実と闘う時間」

毎回、読書会+「現実と闘う時間」または文章ゼミ+「現実と闘う時間」
を行います。
なお、「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。

いずれも日曜日で、午後2時開始予定です。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。

参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。

ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

読書会テキストについて

10月7日の読書会では
『新装版 苦海浄土』 (講談社文庫) 2004/7/15  石牟礼 道子 (著)
を読みます。
いろいろな版がありますから、間違えないようにしてください。
読書会で意見交換する際に、該当箇所のページ数や行数が合わないので、意見交換が難しくなります。

11月、12月には、公害としての水俣病に、研究者としての立場から取り組んだ宇井純氏、原田正純氏などの論考、さらに大きい視点から問題の本質に迫るような論考を読みたいと思います。まだテキストは決めていません。決まり次第、ご案内します。

この夏に、水俣病の現地である熊本県水俣市を2日間でまわりました。

初日は、水俣市立水俣病資料館では館内見学をし、語り部講話を聴きました。市内を少し回りました。

2日目は午前中は相思社の方にガイドしてもらい、市内を回りました。
石牟礼道子さんの関連地、チッソ、親水護岸(水俣湾に面し、慰霊セレモニーが行われる)、百間排水口(排水が流された所)、茂道(水俣病多発地域)、水俣病歴史考証館、陣の坂(薩摩街道、不知火海を眺望する)、坪段(水俣病多発地域)など。

午後は、「ほっとはうす」(胎児性水俣病患者たちの小規模多機能事業所)で代表者の加藤さんの話をうかがいました。

 大学生のころから関心はありましたが現地に行くのは初めてでした。水俣とそこで起こった歴史と事件と人々が、私の中に浮かび上がりました。
帰ってから水俣病について学び始めました。石牟礼さんの『苦海浄土』を読み、これは戦後最高の文学ではないかと思いました。ここから読書会を始めたいと思います。
 「糾弾」するのではなく、静かに深く人間の本質を描いています。人間の弱さも醜さも、強さもすばらしさも、すべてがここにあるように思われます。人間の魂とその行方が問われていて、その鎮魂の思いに、胸打たれます。

 池澤夏樹個人編集の『世界文学全集』の中に、池澤が唯一日本文学から取り上げたのが、この『苦海浄土』だったことを知りました。その意味が今は分かるように思います。

〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉
ある会社が罪を犯し、その結果たくさんの人々が辛い思いをした。糾弾するのはたやすい。しかし、加害と受難の関係を包む大きな輪を描いて、その中で人間とは何かを深く誠実に問うこともできるのだ。戦後日本文学からこの一作をぼくは選んだ。