10月 15

10月14日の毎日新聞の18面「くらしナビ」の欄で「大学入試改革 教育界から提言」で私見が掲載されました。
取材を受けて話したものです。

『大学入試の戦後史』(中公新書ラクレ)で発表した考えを、現状に当てはめた内容です。

大学入試はもうその使命を終えました。

問題は日本社会の「平等観」にあります。
従来の、同じ内容を求めると言うくだらないレベルの平等観から、
1人1人に、それぞれの能力にあった学習が保障されることを平等と考える社会へと、早く脱皮するべきだと思います。

紙面では、私見を「塾の立場」として紹介していますが、客観的な真理の立場からの発言であって、「塾の立場」などを考えたことはありません。それは読者が判断してください。

10月 13

この秋に2つの講演をした。

9月26日に仙台で宮城県私立中・高等学校 国語研究会研修会主催、
10月9日に会津若松で会津方部高等学校国語教育研究会主催のものだった。

いずれも国語科の先生方の研究会なので、
「今、国語科の教師として必要なこと、考えるべきこと」についてお話した。

偶然だが、いずれも3・11の東日本大震災の被災地である。
福島県では福島第1原発事故で避難区域の住民が県内外に避難したが、
会津若松では多くの住民が避難生活を続けている。そこで、以下を希望した。

東日本大震災で明らかになった課題に向き合うこと
 教師自身が向き合い、生徒にも向き合わせる
 もっとたくさんの生徒作品が出てくるべき 

それが進まない理由は、それへの反対の方々が学校内部にも外部にもいて、それへの配慮で身動きが取れないことがある。
生徒や保護者の中にも、地域の中にも、教育会の中にも、反対の方々がいる。
管理職が本気で腹を据えて取り組んでくれないと、何もできないのが現状だ。
だから「できない」といってすますのではなく、
反対の方々との意見交換をし、それを公開していくことで、
議論を社会に広げていくことが必要だと思う。

9月 16

秋の読書会のテキストなどの変更
                
9月28日と10月26日の読書会のテキストを変更し、その後の進め方を変更します。

9月と10月は、マルクスの『資本論』について、もう少し学習します。
 マルクス著『賃労働と資本』(大月書店の国民文庫版)と
 マルクス著『賃金・価格および利潤』(岩波文庫)を購入してください。

 『賃労働と資本』(大月書店の国民文庫版)はアマゾンの「中古品」で簡単に入手できます。
  『賃労働と資本』は『資本論』第1巻の剰余価値を含めた要約です。
 『賃金・価格および利潤』は『資本論』全3巻の要約です。

(1)9月28日は
  集中ゼミで読んだ『資本論』の範囲の復習をし、
  マルクス著『賃労働と資本』(大月書店の国民文庫版)の「エンゲルスの序論」と
  マルクス著『賃金・価格および利潤』(岩波文庫)を読みます。

  「エンゲルスの序論」でマルクスのそもそもの問題意識を確認し、
  『賃金・価格および利潤』これは『資本論』全3巻の要約なので、
  ここで全3巻の概要をおさえたいと思います。

(2)10月26日の読書会には
  『マルクスの批判と反批判』(新潮社)から「価値と生産価格」を取り上げて考えます。
    マルクス著『賃労働と資本』(大月書店の国民文庫版)と
    マルクス著『賃金・価格および利潤』(岩波文庫)を参考にしながら、
    『資本論』から関連する箇所を読んでみたいと思います。

(3)アダム・スミスは1か月遅れで実施。つまり
 11月23日 読書会(高島善哉著『アダム・スミス』岩波新書 青版 674)
 12月21日 読書会(アダム・スミス『国富論』1 中公文庫)
 2014年1月 読書会(アダム・スミス『国富論』2、3 中公文庫)

 古典派経済学の創始者アダム・スミスの『国富論』を読みます。
 スミスはマルクス『資本論』の前提の労働価値説の創始者でもあります。

 新たに経済学が生まれてきた時代背景を知り、その時代の経済問題と
 雄々しく闘ったスミスの戦いぶりを、読んで考えてみたいと思います。

 高島善哉著『アダム・スミス』岩波新書(青版 674)は古いですが、
 アマゾンで 「中古品」として簡単に購入できます。

 アダム・スミスの『国富論』は、岩波文庫版ではなく、中公文庫版で読みます。
 訳文の点と共同研究が背景にある点で、そうします。

9月 02

猛暑、集中豪雨の異常気象の8月も終わり、やっと秋になりましたね。

みなさんはいかがお過ごしですか。

この夏休みの成果はどうでしたか。

私の方は、8月に2日間の集中ゼミを開催し、マルクス『資本論』(第1巻第1篇と第2編)を読みました。
これからの研究のための前提を確認し、その足場を作ることはできたと思います。
詳しいことは、また報告します。

今回のメルマガで社、秋の学習会のスケジュールと読書会テキストをお知らせします。

参加希望者は早めに連絡ください。参加には条件があります。

(1)毎週月曜日のゼミ
9月16日より開始

 ?日本語文献の読書会
  関口『無冠詞論』
 ?ドイツ語原書講読
  マルクスの「労働過程論」(『資本論』第1巻第3編第5章)を読み
  その後ヘーゲルの「目的論」(『小論理学』)

(2)毎月のゼミの日程とテキスト

9月14日 文章ゼミ+現実と闘う時間
9月28日 読書会(マルクス『資本論』第1巻第1篇+岩井克人)
10月12日 文章ゼミ+現実と闘う時間
10月26日 読書会(高島善哉著『アダム・スミス』岩波新書 青版 674)
11月9日 文章ゼミ+現実と闘う時間
11月23日 読書会(アダム・スミス『国富論』? 中公文庫)
12月7日 文章ゼミ+現実と闘う時間
12月21日 読書会(アダム・スミス『国富論』?、? 中公文庫)
12月某日 今年1年の振り返りと忘年会

(3)9月の読書会について
8月の集中ゼミではマルクス『資本論』(第1巻第1篇と第2編)を読みました。

9月の読書会は、この補講の意味があります。しかし、これだけ単独での参加も可能です。しかし、これだけ単独での参加も可能です。

? 参加者には全員にレポートを求めます
1つテーマや「問い」を立て、それについて報告すること
大きなテーマや「問い」である必要はない
気になったこと、気付いたことを、少し調べたり考えて、報告すればよい

? 岩井克人のマルクス批判のテキストを考える時間を取ります。

(4)10月から12月の読書会とテキストについて
 古典派経済学の創始者アダム・スミスの『国富論』を読みます。
 スミスはマルクス『資本論』の前提の労働価値説の創始者でもあります。

 新たに経済学が生まれてきた時代背景を知り、その時代の経済問題と雄々しく闘ったスミスの戦いぶりを、読んで考えてみたいと思います。

高島善哉著『アダム・スミス』岩波新書(青版 674)は古いですが、アマゾンで 「中古品」として簡単に購入できます。

アダム・スミスの『国富論』は、岩波文庫版ではなく、中公文庫版で読みます。
訳文の点と共同研究が背景にある点で、そうします。

以上

8月 18

みなさんは、この夏どのように過ごしていますか。

私の方は、7月の後半2週間は鶏鳴学園の講習があり、

8月の初めには、日本作文の会の全国大会で2日間、
私が代表をつとめる高校段階の作文研究会が分科会を開催しました。

私は大学2年の掛君(鶏鳴学園の卒塾生)とセットで報告しました。
私は、鶏鳴学園での表現指導の目的やその指導過程の意味を説明し、
掛君は生徒の立場から自分自身の経験に即して、その意義を語りました。
参加者の前で、改めて自分のやっている実践の意味を確認する良い機会になりました。

鶏鳴学園の表現指導の内容と、男子(掛君です)と女子1人ずつを例に挙げて、
その指導の意味を検討した原稿を、今月の『作文と教育』9月号(日本作文の会の機関誌)に書きました。

その後の2週間は、ひたすら原稿執筆に専念しています。

1つは、被災地の国立大学の復興支援とその問題点をまとめる仕事(中公新書ラ
クレより11月に刊行予定)。

これは5月には原稿を一応仕上げたのですが、
取材先との事実や文面に関しての確認作業をし、
編集者との打ち合わせで、再度編集し直しているもの。

2つめは、聞き書きの理論と実践をまとめる本(大修館書店より来春に刊行予定)

これらは、この半年、ずっと宿題になっているもので、この2週間で区切りをつけたいと思って、頑張りました。

1つめはほぼ95%できました。8月末までには脱稿できる予定です。

2つめは3分の2ほどできました。秋には完成できるでしょう。

 そして本日からは集中ゼミの予習に取り掛かります。

例年、夏になると八ヶ岳でゼミの合宿を行ってきましたが、
今年は、形を変えて、東京で2日間の集中ゼミという形で実施します。

マルクスの『資本論』の一番難解とされる商品論を読みます。

マルクスを読んだことのない人も、この機会にぜひ挑戦してみてください。
世界トップレベルの考え方に触れる良い機会です。

ゼミには、一部のみの参加も可能です。参加希望者は、連絡をください。