9月 09

私は今年の春から
 山梨県甲府在住の笹本貴之さんと一緒に、山梨県で
 「学習会」中心の政治運動を始めた。
 その学習会では、地域が自立するための
 課題を考え、その問題の解決策として政策を作成する準備をしている。

その始まりに当たって行った、準備会的な学習会の報告をしたい。

 何事も始まりが肝心である。学習会の始まりにあたって、
広く今の時代の課題を考えておきたい。またこれまで行ってきた
ワインツーリズムの総括をするための観点も、しっかり用意したいと考えた。

 他に呼びかける前に、まずは中心メンバー自身が学習することから
始めなければならない。笹本さんと彼を支援する中心メンバーと、
内々で2回読書会をした。これは、広く公開の形で行う予定の
学習会とは区別して、リサーチ学習会と名付けた。
学習会をするための学習会であり、準備会であったからだ。

 1回目は4月26日に、牧野紀之「民主主義」
(『ヘーゲル哲学辞典』に収録)と『良い社会の公共サービスを考える』
(良い社会をつくる公共サービスを考える研究会最終報告)を読んだ。
「民主主義」は能力の不平等と人格の平等という矛盾を確認するため、
『良い社会の公共サービスを考える』は時代の課題を考えるため。

 2回目は5月10日に行い、『コミュニティビジネス入門』
(風見正三・山口浩平)を読んだ。これは、ワインツーリズムの
総括をするための観点を得るためだった。

 幸い、ゼミの仲間に、経済産業省の役人がいて、
現在コミュニティビジネス(ソーシャルビジネス)に関わっている。
彼からこの2つのテキストを教えてもらった。

 この2回の読書会の内、初回は大前提であり、
時代の背景の理解、一般論と言える。
2回目は具体論であり、各論である。
この2回の読書会で学んだこと、考えたことを次回から発表する。

 ところで、この読書会はテレビ会議システムを利用して行った。
笹本さんたち中心メンバーは山梨県在住で、私は東京にいる。
それが2時間ほどの時間を、テレビ会議システムでつないで、議
論をすることができる。実に便利な物ができたものだ。

9月 08

 以下は4月になって、「政策立案のための学習会」を進めるために、
 さらなる具体的提案をしたものだ。

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 学習会の進め方

(1)「政策立案のための学習会」と他の学習会を区別する
   → 名称も区別する。「政策学習会」と「学習会」など

(2)「政策学習会」

 1.必要な項目、その優先順位を明確にする
   100点満点は必要ない。ベストを尽くし、マストは死守する
   Aの各メンバーの可能な範囲で、1年間全体のどこかで実施すればよい
   全体のスケジュールを考えておく
   無理が続くと破たんする

 2.Aメンバーは「政策の学習会」に、まずは集中する

 3.「公開学習会」と、その準備のための「リサーチ学習会」の区別をする
   後援者や一般に公開する「学習会」(公開学習会)と、
   その準備のための「学習会」(リサーチ学習会)がある
  (研究そのものと、研究のリサーチのための研究と)

   今は、リサーチの段階。問題に関する全体を調査し、
   報告者候補や読書会テキスト候補をさがす
   常に、「全体」と「本質」を意識してほしい

(3)中井が司会をするリサーチ学習会を、A会議メンバーを中心に
   4月、5月初旬までに行う(提案)

 1.民主主義、発展の理解 これはリサーチではなく、前提の確認のため A会議メンバーのみ
 2.新自由主義を検証/テキスト:「良い社会をつくる公共サービスを考える」
 3.「コミュニティビジネス入門」の読書会

(4)他の「学習会」

 横の連携が必要
 報告会を定期的に行い、秋には発表会なども実施

  2010年4月5日

9月 07

 以下は、私が提案した「『学習会中心』の政治運動」を受けて、
 翌週に実際の「学習会」の進め方を提案したもの。
 以下、レジュメを掲載。

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 一. 政策立案のための学習会とは何か

(1)学習会中心の政治運動の中で、政策立案の学習会の位置づけ

 1.支持者があらゆるレベルで学習会を展開する
   スケジュール(日程や場所)などを報告してもらい、HPに掲載

 2.政策立案の学習会は、1.とは別に、政策立案を目的に
   十分な計画のものに、実施するもの。
   HPには、スケジュール(日程や場所)だけではなく、その内容をも掲載
   実施はAメンバーが中心。
 

(2)政策とは何か?

 ・政策とは「問題の解決法」のこと。それを立案するということは、

 1.「問題の発見」

   社会に存在する【問題に気づき】、それと闘う
   問題から逃げず、問題を直視する勇気が問われる
   問題はいつも、現場で起き、具体的な形で現れる

 2.「問題の本質の理解」

   問題のさまざまな側面や、歴史的な背景を理解し、【問題の「本質」】を理解する  
   問題を一般化してとらえる能力が必要。
   本を読み、専門家から学ぶ必要がある

 3.「問題の解決策の作成」

   問題の本質から導かれる、【問題の解決法(=政策)】を提示する

(3)根本原則

 1.自己教育第1。他者への働き掛けは第2。
   笹本さんが、そしてAメンバーが、誰よりも学習をしなければならない。

 2.現場主義と理論主義の統一
   現場の孕む問題の意味(本質)を一般化できるようにする
   行政と議会は、一般化のレベルで役割を持つ

 3.いつも「全体」を考えよ
   ・時間的に →「今」だけではない。過去に、未来に、思考の幅を広げる
   ・空間的に →「ここ」だけではない。他の地域、他の問題とも関係している

 4.内容主義と形式主義の統一
   世間では内容主義ですべてが行われている。私たちはその形式を常に考える

 5.「完璧主義」は取らない。自分たちのベストを尽くすことだけを考え、実行する

 二.政策立案のための学習会の進め方

(1)Aメンバーで、全体の計画を立てる

 1.学習すべき項目を考える
 2.その項目毎のテキスト、報告者のリストアップをする
 3.それぞれの項目で担当を決めた方が良い
   自分(A)の主催と他の主催(協力者として参加)と分ける

(2)B会議メンバーは、「勝手連」的に

 注意
 ブレーンストーミングで仲間の知恵を出し尽くす
 項目では、すべてを網羅できないので、重要度の高いもの、
 自分たちの独自性を生かしたものを取り上げる→優先順位

 2010年3月16日  

9月 06

 今年3月の私の提案を受けての議論は次のようなものだった。

(1)賛同の声として以下のようなものがあった。

 ・笹本の政治運動としてイメージしやすい。
 ・支援する私たちにとっても大切なこと。
 ・これこそが社会の主流になるべきだ。期待されているあり方だ。
 ・これなら官も民も参画できる。
 ・学習会を通して自分の能力を伸ばしたい。仕事に活かしたい。
 ・時間はかかるが効果はある。
 ・地方こそ新しいことが必要。これを見極める力を学習によって人々がもつべき。
 ・これを受け入れられる社会をつくらなければ、笹本が出馬する意味がない。

(2)懸念、質問として以下のような意見が出され、
  (→以下)のような回答を私がした。

 ・民衆はめんどくさい学習会ではついてこないのではないか。
  面白おかしいものでないとダメではないか。盛り上がりも必要ではないか。
 
 →さまざまなレベルの学習会を用意したい。
  面白おかしい学習会も提供できるようでありたい。

 ・小泉元首相が成功したように、単純化された2項対立にしないで、
  複雑でムズカシイことを言っても支持されないのではないか。

 →社会問題の核心を単純な2項対立で示せるようにしたい。
  そのためにも、学習会が必要。
  学習会で本質を見抜く力をもたなければ、核心的な2項対立を示せない。
  小泉元首相の「郵政民営化か否か」がそうだったかどうかは、疑問だ。

 ・一般にいう選挙運動も必要ではないか。

 →「学習会中心」という意味は、普通の選挙運動を全否定するものではない。

 ・学習する項目に本質的な問題と、現実の各論とがある。
  前者をしなければ、後者はできない。
  それでは、時間が足りないのではないか。

 →同時に平行してすべてを学習することもできる。
  時間については、1年間と区切り、ベストをつくせばよい。

 ・学習会では、何も決定しないとあるが、
  それでは選挙運動が動かないのではないか。

 →運営会議と学習会を区別する。
  前者ではもちろん、方針や戦略などを決めて行動する

9月 04

 友人が政治活動を始めた。
 その相談を受けたのをきっかけにして、
 政治や政治活動への私の考えをまとめることにした。
 今回はその骨子を発表し、読者のみなさんの参考にしていただこうと思う。

 以下は3月9日に、笹本さんの支援者の集まりで発表した
 レジュメである。

 このポイントは、民主主義社会の根本矛盾として
「人格の平等と能力の不平等」を挙げ、
この解決策として「すべての人の能力を高める」ための
「学習運動」を掲げていることだ。

 また、「政治」を特別なものとせず、利害対立・意見対立が起こる
すべての場面で行われている意志決定のあり方ととらえ(広義)、
その最終的な意志決定の場として、狭義の政治があるとしたことだ。
したがって、政治活動は、普段の生活の場から始まり、
そこに帰らなければならない。

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 提案 「学習会中心」の政治運動 

 一.政治とは何か。何が課題なのか。

(1)政治の形式面

 1.政治とは広義では、人間集団の意志決定一般に関わるすべてのこと。
   2人以上の人間間で常に問題になること。
   家庭でも職場でも地域でも学校でも。

 2.狭義では、その地域全体の最終意志決定に関わるルールと権限
   県で言えば、知事を初めとする県庁の行政と、それをチェックする議会
   「政治家」だけではなく、役人も政治を行っている。

 3.異論、意見対立をどう考えるか

(2)政治の内容

 1.「真理は自己を必ず実現する力を持つ。民衆は真理を理解する力を持つ」
   大きな集団の動きになると、それは人類の自己実現、真理実現の過程
   発展の過程の一部として、理解できる。
   その過程では、矛盾、対立、葛藤が生まれる。それが発展の動力源。

 2.「本質論主義」 → 【学習会中心主義】
   現実の課題は何か、その本質は何か、真理とは何かを常に考える。

(3)民主主義の徹底 

 1.民主主義(公平・公正)とは何かをいつも反省する
 2.多数決は、異論の対立を解決する1つの方法でしかない
 3.反民主主義的な言動には、徹底的に言論で闘う
 4.公開の原則 県政に関するあらゆる情報公開 笹本さん自身の収支報告も
 5.記録の重視

(4)根本の矛盾

 1.人格の平等と能力の不平等の矛盾から逃げず、それを自覚し、
   それを解決する道を考える

 2.すべての人の能力を高めることが究極の解決 → 【「学習運動」こそが核心】
   従来の「善玉」「悪玉」で物事を考えるのは止める。
   能力の高低が、利害対立とからんで問題として表れる。

 二.「学習会中心」の政治(選挙も)運動 【一大「学習運動」を】

(1)「学習第1の政治活動」

 学習会から政策をまとめ、選挙運動(公示後の選挙期間中)の進め方も決める。
 選挙後も、当選後も学習会中心主義は変わらない。

(2)「学習会」

 1.【すべての中心に学習会があるべき】

 2.学習会の運営メンバーこそが、中核メンバー。

 3.誰に働きかけるのか
   政財官のリーダーたちはもちろんだが、中心は、学びたいと思っている
   市民、大学生、教師、市民運動家たち(選挙区を問わず)。
   学習会には他陣営の人々(対立意見を歓迎する)の参加も歓迎する。

 4.学習会の種類
   1)現場での、現場からの学習会
   2)読書会 諸問題について、本質論を議論できるように
   3)講演会やその他

 5.学習会では意見交換だけで、正誤や行動の決定をしない

 6.記録と民主主義の時間

 7.公的なすべてはHPで公開する

(3)組織の種類

 1.中核メンバーの会議 選挙運動の運営
 2.支援者の組織
 3.学習会

(4)組織について

 それぞれの組織のルール(規約を作る)。
 入会と退会(除籍あり)。意思決定。

 三.学習会で何を学ぶのか 選挙で訴える柱(ナカミ)づくり

[A]目的

 山梨県の自立と活性化
 しかし、山梨が自立するためには、それぞれの地域の市民が自立するしかない。
 「学習会中心主義」 →「笹本さんに何とかしてもらおう」は違う

[B]本質論 問題の本質をさまざまな視点から徹底的に学ぶこと

(0)前提
   一.で述べた政治や本質論主義、民主主義の基本的理解

(1)時代の変化、今の時代の課題(経済の変化、政治の変化)

 1.高度経済成長、東西冷戦が終わり、グローバル化した資本主義が全体を支配 
 2.今のあらゆるシステムは、高度経済成長、東西冷戦の下で作られてきた。
 3.それを次の時代、社会へ向けたシステムに切り替えていかなければならない。
   ◎国際関係、◎経済、◎国内政治

(2)国と県との関係(交付金、助成金の問題)、県と市町村との関係。

(3)県自体の問題

 1.県の行政・役人の問題  「仕分け制度」導入
 2.県政、政治家の問題
  1)議会の改革。
   2)政党の改革。民主党、自民党に入党する選択

(4)産業構造の問題  公共事業中心からどのように構造転換をするか

 ※ワインツーリズムとしてやってきたことは、全体のどこにどう位置づけられるのか。

(5)その他の重要課題

 1.少子・高齢化、2.医療問題、3.教育問題、4.男女差別、
 5.階層格差の拡大、6.家庭の問題 離婚、児童虐待、7.外国人労働者

 ※これからの1年で、笹本さんが関わる問題を見いだし、それに取り組む
  これが政策の中心になる 

           2010年3月9日